製造業エンジニアの道

自分を伸ばし、会社を伸ばす自己革命

儲かるアイデアをどう出すか?

新規事業のためのアイデアを集めようとすると、アイデアはたくさん出るけれども、どうも儲かりそうもないとか、事業としては成功しそうもない、ということになりがちではないでしょうか?

 

事業アイデアを考えるときに、事業を創るということを、いい製品を作ることだと思っていないでしょうか?

先端技術を使って顧客の興味を引く、いい製品を作ればお金は後からついてくると考えている人、特に技術者は多いのではないでしょうか?

 

もちろん、いい製品を生み出すことはとても重要ですが、それと事業を創り出すこととは別だと思っています。

 

事業を創り出す、ということは、”お金を動かす仕組み”を創り出すことだと私は思っています。

いい製品を利用して”お金を動かす”ということです。

そして、”お金を動かす仕組み”とは、まさにビジネスモデルということです。

 

しかし、ビジネスモデルなんて、簡単にできるものでしょうか?

すでに言われていることかもしれませんが、ビジネスモデルは、他の領域から借りてくればいいのです。

 

他の事業領域でうまく行ってるビジネスモデルを、徹底的にパクる(TTP)ことを、組織的にやることが重要だと思っています。

 

でも、パクるのも実はやり方があると思っています。

 

まず、パクるためには、他の領域のビジネスモデル、成功パターンや失敗パターンを深く理解している必要があります。社内に世の中のビジネスモデルを研究して蓄積し、すぐにそれらの情報を活用できる体制などが必要かもしれません。

簡単に言えば、ビジネスモデルの専門家です。

 

次に、そのビジネスモデルの知識を使って、実際に自社領域で一工夫してうまく活用して、付加価値の高い儲かる事業を創り出すということですが、ここにも仕掛けが必要です。

 

それは、「抽象化力」と「アナロジー力」です。

 

多くの人、特に技術者は、物事を近視眼的にしかみれない傾向があります。時に近視眼的に、時に全体を俯瞰して物事をみる、抽象度を自在に変化させながら物事を見る訓練がされていません。

 

そうすると、考え方が凝り固まって、アイデアが広がらないのです。

抽象度を変化させる力は、訓練できます。私はコンサルの仕事の中で、この方法も教えています。

 

抽象度を高くした状態で、自社製品と世の中のビジネスモデルを広く眺め、さらに「アナロジー力(類似力)」で、類似性を発見しながら、自社領域で新たなビジネスモデルを造って行く能力を、個人だけでなく、組織的につけていくと、新規事業の成功確率は大幅に上がる、ということになります。