技術コンサルタントという生き方
技術者、エンジニアにとって、自分の技術が世の中でどれくらい役に立つ、あるいは通用するかというのは、とても気になるところである。
終身雇用制で、ひとつの会社に居続けていると、その不安はもっと大きいかもしれない。
技術者の持つ固有スキルは、単に技術に対する知識だけではなく、どうやってその技術にたどり着いたか、あるいは技術知識を持つようになったか。さらに、どうやって知識から、製品を開発したり、世の中に役立つものに仕上げていったかなどの道筋や、進め方なども、その人のノウハウやスキルになっているはずである。
しかしながら、10年、20年と技術の仕事をしていると、そのような個人が獲得した特別のノウハウも、当たり前のようなことに感じてしまう。
これは、いわゆる「暗黙知」である。
企業の中にいるベテラン社員ほど、この暗黙知をたくさん抱え込んでいる。
若手から質問されれば、きとんと説明できる。でも、説明しながら、こんなことも知らないのか、とちょっと不思議な感覚になったりもする。
もったいない話だ。
私のように、複数の会社で技術に関する仕事をしてみると、会社ごとのDNAとか、特別なやり方などがあることがわかる。
ある会社で常識なことが、別の会社ではとても新鮮であったり、あるいは、まったく真逆の考え方をしていたりする、
これは、実はとても幸運なことで、上記の暗黙知を暗黙知と知らしめてくれる。
多くの企業で共通の考え方、似ているけれども少し違いがあるやり方などは、実は何が本質かを教えてくれる。
考え方ややり方の違いから、本質的な目的は何で、それに対するアプローチは複数あってという知識が、あらたなノウハウ、スキルになっていく。
技術者に染みついたこのようなノウハウやスキルは、決して無駄になることはないはずだ。これは私自身の経験から断言できる。
この技術者のノウハウやスキルには、もちろん個性というか、人それぞれの独自なものがあって、それらは必ず世の中の役に立つ。
私は、コンサルタントの仕事を始めて2年半が経つのだが、最初は自分にどれだけのことが出来るか不安な面もあったのだが、今はコンサルタントが天職だったとさえ思っている。
最初に思っていたコンテンツだけでなく、自分の奥底に眠っていた知識や経験までが、役に立ってきているのだ。
これは決して私だけの話ではないと思う。
10年も技術者をやっていれば、たくさんの暗黙知をその人なりのノウハウ、スキルとして体にため込んでいて、それをキラーコンテンツとして整理して取り出してやれば、ニッチな世界でのナンバーワンのコンサルタントになれるはずだ。
自分の棚卸しをすることが重要なのと、悩みを持っている人たちとなるべくたくさん、話をすることだ。
私は、幸運に恵まれてコンサルタントとして活動できているが、自分のたどってきた道を紹介しながら、それぞれのコアスキルや、強みを引き出す方法を自分なりに理解しているつもりなので、今後はこれを共有していきたいと思っている。
を始めることにした。
技術者のスキルアップ講座というホームページで、技術者の「自分の棚卸し」も無償でお手伝いすることにした。
人生100年時代。自分自身を最大限に活かす道はたくさんあるはずだ。
今の企業で生きたいくしかない、という「思い込み」から脱却し、一歩前に進んでみてはどうだろうか。
ぜひ活用して欲しい。